Newbe(ニュービー)が注⽬する起業家やクリエイターをゲストに迎えたインタビューコンテンツ

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PROFILE土井地 博(どいじ・ひろし)
第三弾は、日本のセレクトショップの草分け的な存在として、常に業界を牽引するBEAMS(ビームス)で20年以上のキャリアを持ち、グローバルアライアンス部 執行役員 兼コミュニケーションディレクターという異質な肩書きを武器にラジオパーソナリティ、大学講師、司会業など日々挑戦の幅を広げる土井地博さんが登場。現在はBEAMSの他に、株式会社BE AT(ビーアット)代表取締役、株式会社 社外取締役の共同代表も務め、新しい働き方の形を模索し続ける彼のこれまでの軌跡や未来を語るコトバから、その瞳に映る世界を覗いてみよう。

Episode.03

後半パートでは20の質問と題して、⼈⽣観からトイレ事情、⽣理についてまで普段なかなか聞くことのできない土井地さんの哲学を紐解きます。

ストレスリリースのコツを教えてください

シンプルに体を動かすこと。

身体はすべての資本。特に肩甲骨は意識的に動かすようにしています。可動域が広がると呼吸も整うし、呼吸が整うと血の回りも良くなるので本当におすすめです。

2030年のご⾃⾝の未来予想図を教えてください

教育に携わっていたいし、学ぶ時間をたくさん作っている自分でいたい。

人間ってやっぱり学ぶことがベースにあると思うんです。大人になってくると学校や勉強と聞くだけで腰が重口感じる人もいるかと思うんですけど、そういう人もYouTubeで好きなものにハマったらどんどんどんどん観ていくじゃないですか。自然と学んでいるんですよ。だから、わかりやすく学べる空間や環境を作ったり、自分自身もそういった学びに携わっていたいです。

どんなおじいちゃんになりたいですか?

カメラをぶら下げて、日本中、世界中のいろんなところを旅するおじいちゃんになりたい。

今カメラにハマっているんですけど、その趣味はずっと続けていきたい。おじいちゃんと呼ばれる年齢の頃にはフィルムでモノクロの写真を撮ったりとか、ありえないほどの大沼にはまっているかもしれないですけど(笑)。あとは、車も好きなので車で世界中を走りたいですね。

忙しい毎⽇の中でご家族とはどのようにコミュニケーションを取っていらっしゃいます か?

自然とコミュニケーションを取れるようなスペースを家の中に作るようにしました。

我が家はキッチンが一段下がっていて、カウンターにある椅子に座ると、キッチンの内側に立つ人とちょうど目線が合うように設計されています。ここでご飯を食べることもあれば、夫婦でお酒を飲んだり、娘たちの勉強机になったりと、自然と家族が団欒するようなスペースになっているのがいいのかもしれません。一卵性の双子の娘たちは現在15歳で、俗にいう思春期真っ只中。でも、僕とも友達のような感覚で買い物や美術館に一緒に行ったり、僕の私服を借りて出かけたりしていたりするのを見ると良い関係が築けているのかなと思っています。

⼦供や家族とどんな関係でいたいですか?

仲の良い友達のような関係でいたいです。

⽣まれ変わったら何になりたいですか?

南半球の人として生活してみたい。

全部逆じゃないですか、軸が。考え方や見ている星も違うし、トイレの流れる水も逆。もしかしたら北半球では感じることのできない面白いものがあるのかなとか考えちゃいます。

座右の銘を教えてください

「インプットしてアウトプットする」

もともと対照的な言い回しが好きで、例えば好きな人ってどんな人って言われた時には、同性異性にモテるとか、話し上手で聞き上手とか。こっちがあって、あっちみたいな言葉とかが好きなんですよね。

あなたにとってトイレはどんな空間ですか?

日々のルーティンであり、整う場所。

体内のルーティンというだけでなく、自分なりのルーティンを確認する場所。トイレだけじゃなくて、洗面所やお風呂もそうですが、気持ちの面でも整う場所なのかなって思います。

トイレのこだわりはありますか?

僕がトイレに籠ることが多いので、トイレは2つ作りました。

自分の中でトイレってなんか居心地がいいからついつい長く籠もりがちなんです。でも、そうしていると娘たちにトイレが長いと怒られてしまうので、2つ作りました。あとは、壁色をそれぞれ変えています。ひとつはシンプルに、もうひとつは青みの強いグリーンの壁色にしています。

公共のトイレがこうだったいいなと思うことはありますか?

トイレや公園といった公共の場所が綺麗だったり、デザインのあるものにどんどん変わっていけばいいと思う。

渋谷区のプロジェクトで公衆トイレがどんどん綺麗になっていますよね。僕の友人や知人もこのプロジェクトに参加しているのですが、従来の汚くて治安の悪いイメージだったトイレが、このように生まれ変わることでいつの間にかサロン的な要素を持つ空間スペースといった扱いに渋谷でもなっているんですよ。インフラを整備したり、大きな施設を建てて街の風景を変えるより、トイレひとつのデザインで日常の中に安らぎや美しいと思える場所が作れるのはすごいことですよね。だからもっと国や自治体が率先して、表現者の人たちと手を取り合ってそういったスペースを作っていったらいいのになって思います。

もしも明⽇⽣理がくるとしたら、どんな気持ちですか?

相手の気持ちになれることを考えたら一回くらいは来てもいいかな。

僕は単純に血が苦手なんです。だからこそ女性は強いなといつも思っています。でも、体験できるなら一度くらいは体験してみたいですね。やっぱりどんな気持ちなのかって相手の気持ちになりたいから。

職場・家族の間で、⽣理の情報共有をするなど、何か⼯夫していることはありますか?

会話として “生理” という言葉が一気に増えた気がします。

昔は「体調が悪いから」の一言だったけれど、「ちょっと生理痛がひどくて…」というひとつの症状としてオープンになった部分はありますね

若い頃と今で⽣理への考え⽅に変化はありますか?

昔とは全然違う。昔は本当に何も気にしていなかったです。

若い時って印籠の如く、「今日は生理だから」と言われるとマジか~って思ったり、相手が不機嫌だったりイライラしていることの合図にしか過ぎなかったんですけど。身体の仕組みなど、いろんなことを学んだり知識が入ってくると、ひとつの現象として相手の気持ちになった時に、どうしたら相手がリラックスできるのかといったことを考えるようになりました。あと、仕事柄サニタリーショーツといったアパレルに関連するグッズにも興味があります。少しずつ認知されるようになってきていますけど、もっと広がることで女性の悩みが解消されたり、考え方の部分でファッションから世の中を変えていけるかもしれない。ロサンゼルスには「goop」というグウィネス・パルトローがやっているセレクトショップがあって、そこではコスメやアパレル、ライフスタイルグッズと並んで性に関するアイテムも気軽に手に取ることができます。出張でロサンゼルスに行くたびに立ち寄るんですけど、そのたびに日本ももっとこのくらいオープンになったらいいなって思いますね。ギフトで男性がこういったものを選べるようなものや場所って今はまだ少ないかもしれないのですが、もしかしたらそれって我々が仕事としてやっているファッションであったりデザインというものが後押しするんじゃないかなと感じています。

⽣理⽤品を買いにいったことはありますか?

数えるくらいしかないです。

我が家の女性陣たちもその部分に関しては、僕に気を遣っていますね、「どうしても忙しくて買えないから、申し訳ないけど買ってきて」と頼まれたのが1,2回くらいしかないかな。

⽣理⽤品などのデザインなど⾒た⽬で思うことってありますか?

もう少し、表に出すことができるようなデザインされたものがあっても良いのではと思います。

トイレットペーパーとかも、そのまま置いていても絵になるようなものがあったりするじゃないですか。同じようにこれだけ種類があるのだから、表に出してあっても違和感のないデザインがあってもいいのかなって。衛生的な問題とかでハードルがあるのかもしれませんが。あと、コンビニとかで入れる紙袋。いかにもな包装をしている間に後ろのお客さんが並んできちゃったりすると、女性の方も逆に気になっちゃうんじゃないかなって。これは、マイバックがもっと浸透すれば解決するのかもしれないけど。

⽣理⽤品やプロダクトがここ数年で⾮常に種類も増え進歩を遂げています。そういった 動きをどうみていますか?

共感とデザインの両方が生まれることで様々なものが解決していくのではないかと思います。

BE ATでは、「ビブラムソール」で知られるVibram社と一緒にストレスボールや膣トレボールを作れないかと男女のスタッフで話をしています。実は以前、BEAMSでTENGAを売ったことがあるんです。パッケージにキース・ヘリングのイラストを使ったら、可愛いって話題になってめちゃくちゃ売れました。普通のパッケージで彼氏の家に置いてあったら引いてしまうような女の子も、パッケージを変えるだけで「これ可愛いじゃん」って手に取る。その時にデザインの力ってすごいなって強く思いましたね。

⽣理休暇についてどう思われますか?(実施できているか・制度はあるか)

生理休暇などは設けていないですが、今はフレックスや在宅ワークなどもあり、生理に関連する痛みや悩みに対してケアしていくという部分では、以前と比べて多少改善されているのではないかなと思います。

学校での性教育について思うことはありますか?

早い段階で男の子も女の子も自分たちの身体の変化についてみんなで考えるような場が必要だと思います。

特に男の子は知らないことが多い。ナプキンとタンポンって何が違うのかということもいまだに知らない人がいっぱいいると思うし、そもそも月経とはというところも学ぶ機会がすごく少ないと思うんです。今は昔よりも月経がくる年齢も早くなってきていると言われているし、コロナになって中絶率も高くなったそうです。やっぱり、子供たちの成長がどんどん早くなっていて、教育というものが追いつかないといけなくなっているので、国や学校任せでなく、社会全体でしっかり考えていくべきかなと思います。

ご⾃⾝が⼦供の頃にこういったことを教えてもらいたかったと思うようなことがあれば 教えてください

人間としての生理現象についてもう少し知っておきたかったです。

僕らはトイレのビデとかも説明なしにいきなり社会に出てきた世代だと思うんですけど、これってなんだろうという疑問をみんなが持っていたのであれば、もうちょっと教えてもらっても良かったんじゃないかなって思うんですよね

このインタビューを終えて、新たに感じたことなどはありますか?

女性の問題、男性の問題と分け隔てることなくみんなで一緒に考えていきたい。

今はシェアリングや協調性、多様化の時代。特に性別や働き方などいろんな分野でコロナというものがさらに後押しして、みんなで一緒に考えようよという時代に入ってきたと思うんです。特にこの生理現象というものに関しては、いろんな角度でよくしようとか、知ろうという動きが増えていくと社会はもっと明るくなるのかなと思います。あと、生理に限らず女性の問題も、男性としての問題も均等に話題に挙げることでもっと会話もしやすくなるのかなって思いました。例えば、アダルトビデオと聞くだけで彼女から毛嫌いされたり、母親の目を盗んで観たりしていたのが、今はもうネットでなんでも観れるし、女性用のものも増えています。だから、そういった男性特有の悩みも一緒に話せるともっと広がるのではないかなと。突然、女性社会の向上のために女性の問題を男性たちも考えなさいよって言われたように感じてしまうと、男性もテンション的にが少し下がってしまう部分もあると思うんですけど、お互いにそれぞれの問題について考えていけるとまた違うのかなって思いますね。

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Mikiko Ichitani
市⾕未希⼦(いちたに・みきこ)
1989年⽣まれ。美容専⾨学校卒業後、都内の美容室にて7年間勤務。2017年にWEBのファッションメディアの編集者へ と転向。前職の経験を活かし、美容特集の企画・編集にも携わるほか、クライアントへの提案や、制作案件の進⾏など 様々な業務を担当。2021年独⽴し、フリーランスとしてさまざまな形で編集に携わる。

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